「業務経験」が意味するのは「逃げずに戦った事実」

 賛否両論あるのは承知の上で、私が入社試験の試験官をするときの目線を書きます。プログラマの求人における話です。


 よく、求人の応募資格に「業務経験があること」というのがあります。実は私から言わせると、ほんとうに業務経験があるかなんてどうでもいいんです。

 ただ、実業務を経験している場合、自分にはちょっと荷が重いなということでもやらなければならないというような局面を経験している可能性が高いからこう書いてあるのです。

 単に自学自習をしているだけだと「こりゃあ、手に負えないな」という技術なりを目の前にしたとき、図らずも逃げにはいってしまいがちです。学校での勉強でもそうです。実業務では「正解」は準備されていませんが、学校の問題の多くは「正解」が準備されています。なので、自分の手に負えない問題を目の前にしても真に自分で立ち向かうと言う局面は少ないでしょう。


 逆に実業務を経験しているからと言って、困難に立ち向かったとは限らない場合も確かにあります。

 なので、たとえユーザ数100人でもいいから、フリーソフトなどを公開したり、自分のWebページで自作BBSなり自作ブログシステムなりを稼動させているほうがよっぽど「業務経験者」より欲しい人材であったりもします。



 それから、プログラミング言語を何々知っているかというよりも、何行書いたかのほうが重要ですね。コーディングは結局職人芸です。理論だけではいいコードは書けません。この場合、コメントも芸のうちですし、どれぐらいの数をこなしたかが問題なので、ほんとに単純に行数でいいのです。