本気でSDEMがいいなんて思っているのか?

 いまさら日本のIT産業の構造をどうこういうつもりはないですが、たいていこの業界の人ならどこかの大手SIerの文化に触れたことがあると思います。あるいは、どっぷり下請けなんてやってることでしょう。

 私は今、富士通文化に浸ってます。以前は以前でまた別な文化に浸ったわけですが。


 ということで、富士通文化目線で話します。これは富士通さんを攻撃するための記事ではないので、そこのところお間違いなく。また、富士通文化がわからない方が読んでもさっぱりわからないと思います。


 富士通さんにはSDEMという開発標準があります。いつ制定されたかは私にはわかりません。ですが、少なくとも5年以上前であることはたしかで、前身も含めれば、10年より新しいことはないでしょう。


 それでですね、富士通さん自身と、そのグループ会社、関係会社は、ほとんどのプロジェクトにこのSDEMを持ち込むのです。Webなんてなかった時代に策定された開発標準を、Webシステム開発案件になんの疑問もなく適用するのです。ひとり一台のPCではなかった時代の開発標準をひとり一台どころか、複数台使えるようなこの時代になんの疑問もなく適用するのです。


 どうでしょうか? 客観的に見て、おかしいと思いませんか?


 仕様書もですね、明確に「これっ」って激しく決まってるわけではないのですが、以前のエントリにあるようにCOBOLを勉強してみてわかったんですが、どうみてもCOBOL用の仕様書の体裁をそのまま使いまわしているんです。



 ということは、設計、開発モデルは10年以上、根本的には変わっていないということなんですね。「進歩が早い」と他の業界から言われているIT業界が、こういうことなんですよ。



 おそらく、元COBOLerの管理職が退職するまでは、こういう雰囲気は変わらないでしょうね。