未だに擬似乱数

 コンピュータプログラミングなどに長く携わっている人の間ではある程度常識になっていることだと思いますが、コンピュータは乱数(ランダムな値)を発生させることができません。たとえば、コンピュータゲームで全く規則性のない動きに見えるものも実は一定の規則があるのです。これは、乱数っぽく見える数字を計算によって求めているからです。このような乱数っぽいもの擬似乱数といいます。

 ↓こんな記事がありました。

乱数のタネの新しい生成法 - ITmedia エンタープライズ

このような記事をみると何故未だにPCなどには「乱数発生器」がないのかと思います。

実は、ICカード(ICスマートカード)の中には乱数発生器を持っているものがあります。一部に誤解があるようですが、ICカードは単なる記憶素子ではありません。ICカードはひとつのコンピュータであり、不揮発性メモリのほかに揮発性メモリとCPUも入っています。そして、そのカードの中では暗号化処理も行うのですが、このとき使用する乱数はこの乱数発生器というハードウェアが生成するのです。これによってより安全な暗号化が行えるわけです。

実はICカードは他にも安全性にこだわっています。たとえば実行するマシン語によって消費電流が微妙に違うため、高精度の電流測定器がカードリーダに入っているとICカードの内部でどのような処理が動いているか読まれてしまう可能性があります。そのため、わざと無駄なマシン語を入れてそれをかく乱するなどの対策を講じています。

さすがPCで電流がどうこうまではする必要はないとは思いますが、このITmediaの記事にもあるように、PCにもそろそろ乱数発生器が欲しい時代なのではないでしょうか?