繊細さを取り戻せ
ちょっと単語を思い出すまで時間がかかったのですが「UMB」。Upper Memory Block。これを何キロバイトとれるか。そして、そこに DEVICEHIGH でデバイドライバ類をロードして、メインメモリをいくら取れるか……。
DOS 時代のパソコン野郎なら誰しも通った道だと思います。FEP を入れてもメインメモリが 600KB 以上あいたときには感動したものです。その CONFIG.SYS は宝物でした。まるで錦鯉や盆栽のように、自慢の一品的な CONFIG.SYS をパソコン野郎たちは持っていたものです。
時代は下り、インターネット黎明期。私が自宅でインターネットを始め時は、通信速度は 14.4kbps でした。IE はまだフレームに対応しておらず、インターネットサイトもあまり充実していませんでした(ベクターなんてFTPサイトみたいでした)。そして Windows 95 が流行りだすと徐々にインターネットサイトを開設しようという動きが強まりました。しかし、ブロードバンドなんて言葉すらなかった時代です。小さなコンテンツでいかに面白いものを作るか。しのぎを削ったものです。
懐古はさておき、現在はメモリも回線もかなり恵まれており、リソース不足を体感している人はかなり少なくなりました。
だから今の若い者はけしからんという話ではありません。
リソース不足を経験した層も、「リソースは天井知らず」かのように考える人が増えてきたかのように思えます。
たとえば、Windows のタスクマネージャで各ソフトの消費メモリを見てみると何故こんなにと思うほどメモリを食ってるものがあります。Web サイトにしても、特に Web 2.0 などと言われ始めてからというもの、際限なくアイコンを並べ立てる Web サイトが多くなったように思えます。
つまり、「重い」というやつです。
かつては重さとは死を意味していました。仮想メモリやマルチタスクといった技術が未熟だったからです。しかし、今のパソコンは重くても動いてしまいます(たまに死にますけど)。だから重い重い言われてもあまり改善されないのでしょう。
しかし、リソース制限がゆるくなった今だからこそ、逆に「さくさく」コンピューティングを追求するべきではないのでしょうか? それこそがコンピュータが「手に馴染む」ための第一歩だと思うのです。