さて、どうすればいいか

 ここのところ会社では若手、中堅の地位にあるブロガーやIT系の情報サイトで旧態然としたIT業界を批判する記事が以前に増して多くなってきているように感じているのですが、では、そこから脱却するにはどうしたらいいのでしょうか?



 正直、私自身も脱却しきれていません。


  1. 直受けの場合、比較的近代的な開発スタイルでやれている。
  2. 下請けの場合で、新規案件であればやや近代的な開発スタイルでやれている。ただ、ウォーターフォールからはやっぱり脱却しきれてない。
  3. 下請けの場合で、資産移行、機能追加の場合は古典的な開発スタイルでやらされている。

 ということで、3が一番辛いところなのですが、この原因のひとつにどうも上層部の「自信のなさ」みたいなのものがあるのではないかと思っています。


 たとえば、ある日のプロジェクト会議で「(JSP の)Taglib は作れないと思っていた」と言われたことがあります。おいおい、ナメとるんかと口から出かけましたよ。私の過去のエントリでいうところの技術者 0.5の人にとっては、製品やライブラリは「与えられるモノ」であって、自ら作るものではないし、苦心して探し出してくるものでもない。なので、発想の引き出しが少ないし、「与えられるモノ」以外に対して必要以上に臆病なのです。

 それはそうでしょう。プロプライエタリ時代には、メーカが様々なものを提供してくれましたし、よそのメーカとの組み合わせなんて考える必要もなかったのでしょうから。だから、彼らは旧態然としたやりかたでのろのろのそのそとプロジェクトを進めるより他ないのです。


 ところで、このようなプロプライエタリ時代を経験している人にはある種の「メーカ信仰」みたいなものがあります。メーカにとってはこの信者は、言ってしまえば金づるなわけで、いつまでもこの人たちに対する発言力を持っておきたいわけですね。なので、この構造が変わることはそうそうありません。


 しかし今は時代が違います。公官庁なんかは「オープンソースで」なんて平気で言ってくる世の中です。そこでメーカは、オープンソースのものに何かをかぶせて持ってきます。もともと発言力のないものに対して発言力をつけるために(Struts をベースにした○○とか、Tomcat をベースにした××とか)。これが、Seasar2 が大手に採用されにくい原因にもなっていると思います。なぜなら、「かぶせて」発言力得るより、もともとのものに関わっていて発言力を持っているほうが強いからです。しかも Seasar2 には、そういうもともと発言力を持った人が日本にいますし。



 ということで、我々旧態然とした業界構造に反旗を翻す者は何をすればいいかと言えば、オープンソースプロジェクトに関わることです。そうすることによって発言力を得、少しずつでもIT業界を変えていくことができるのではないでしょうか?