でかいプロジェクトに関わったからって何なの?

 人月で言うと何人月からでかいプロジェクトというのかは定かではないですが、でかいプロジェクトに関わったことがひとつのステータスだと思っている人が少なからずいます。私もそう思ったことがありました。


 しかし、今になって見てみると「それがどうした」という感じです。


 たとえば、でかいビルを建てるのに関わるのと、一般的な一戸建てを建てるのに関わるのは、どちらがすごいことでしょうか?


 一見、そりゃあ、でかいビルだろ、と思いがちですが、ビルの鉄筋を運ぶ仕事と家の材木を運ぶ仕事にどれほどの差があるというのでしょうか? すごいとすれば、ビルを建てるのに関わる何百人という人材を縦横無尽に使いまわすようなごく上層のごく一部の人間だけなのではないでしょうか?

 逆に、自分の仕事が何の役にたっているかもわからずに土を掘り続けるビルの建設作業員より、この道うん十年、かんなを持たせたら右に出るものなし!の大工さんのほうがずっとずっとすごいのではないでしょうか?


 つまり、でかいプロジェクトに関わったってだけで大きい顔をするやつにはたいしたやつはいないってことです。