情報化されてない情報産業

あらためて衝撃――日本のソフト産業を統計分析する − @IT

 この記事にちょうどそろそろ言及しようかと思っていたことが書いてありました。キーワードは「情報化されてない情報産業」です。よその業務を情報化するのにばかり熱心で自分のところの情報化を推し進めていないというわけです。

 以前私は、冬虫夏草を使った薬品を研究している方(「おばあちゃん」と言えるようなお年の女性でした)にPCの家庭教師をしていたのですが、そのときにこんな話を聞きました。

 その方のお友達(男性)が、前立腺ガンを患ったそうです。その男性は、ガン治療薬を研究している方だったので、その方はこうおっしゃったそうです。「だったらあなたの薬で治したらいいじゃない」と。そうしたら男性は「いやいやいや。あんなのは危なくて飲めないよ。私の薬で何人も死なせてしまったばちがあたったんだろう」と答えたそうです。

 なんと言いますか、日本の情報産業もこれなんじゃないかと思えてきました。自分たちの情報化のテクニックを自分たちに適用しないのは、自分たちの情報化テクニックの売込みが詐欺的だと暗に認識しているということではないでしょうか?



 私は現在、さる大手 SIer で半常駐で仕事をしているのですが、ここでは(この部署では?)驚くことにソースコードバージョン管理システムすら導入していません。Java と C を主に使っているのですがほとんどの人はテキストエディタだけで開発しています。その一方で、やれHDDの暗号化だ、認証VLANだと、締め付けることだけやっきになっています。

 恐らくは、情報化ツール(といういいかたも大雑把過ぎですが)がもたらす生産性の向上を信用していないのでしょうね。自分たちが提供している分野のものだと言うのに。


 なんか、悲しくなります。