対価を払う

 私の仕事で主に使う PC の OS は Ubuntu です。Windows も使います。PC でゲームをすることもあるので、プライベートでは Windows の割合が高くなりがちです。

 そんな私は、さまざまなフリーソフトウェアを使わせていただいています。社内外で、私はさまざまな便利なフリーソフトを知っているやつと思われていることも少なくないです。

 そんなある日、私にこんな質問がなげかけられました。

「ウィルス対策ソフトは何使っているの?」

 私は、Windows での話だということはわかっていたので「ESET Smart Security を使っています」と答えました。するとその人はあからさまにがっかりしたような顔をしました。そして「君が有償のソフトを使ってるなんて珍しいね」と言われました。私はこれは非常に心外に思いました。


 世間一般を眺めてみますと、「PC 好き」と呼ばれるような人はたくさんの便利なフリーソフトを知っていることが多いようです。このような人は、そうではない人には「タダでお得に PC を使い倒している」と見えるでしょう。


 しかし、対価がゼロであることが真にコストゼロであるとは限りません。ちょっと使いにくいフリーソフトで悶々と3日かけて仕事するぐらいならば、1000円のシェアウェアを購入して2日で仕事を終えるほうがコストが低いということは言うまでもないでしょう。


 ここでは「ESET Smart Security」なるソフトが良いか悪いかはおいておきますが、少なくともある時点の私のソフトウェア選定眼からすると、フリーウェアで出回っている同種のソフトよりも総合的なコストが低かったから私は使っていたわけです。



 プロならばこいう視点は大切にしたいものです。