プロジェクトを遅らせるたったひとつの理由

 すべての遅れているプロジェクトがこれを理由にしているということではないので悪しからず。しかし、これだけを理由として遅れているプロジェクトがあるのも事実です。

 それは「できていないもの、知らないもので作ろうとする」ということです。

 ある日私がある製造業のシステム担当課の方に聞いた話です。

SIer で、お客さんで試すところあるでしょ。あれが頭にくる。うちがはじめてのケースみたいな。それから、できないことをできないと言わないでしょ。やったことがないことをやったことがないと言わないでしょ。それも頭にくる。

 受託開発である以上どこかが必ず「初めて作る」ところになるわけですが、ベースとなる技術は事前に身につけておいて欲しいということなのだそうです。たとえば、EJB を使っての構築という案件があるとしたら、「Java という言語を使った」という実績だけで受けないで欲しいということなのだそうです。EJB の経験がないならないと言って欲しいと。


 何かしらが動くものが作れて実際に動かせるようにするまで、オープン系ならば目安として3日。これができないならそのプロジェクトは遅れますよ。何を調整するに何日かかるとか、何をカスタマイズするに何日かかるとかがあって、それからプログラミングが開始できるようなものって、できてない、知らないのと同じですから。


 それから愚痴になっちゃうんですが、プロジェクトにメーカー系 SIer がかかわってるのに機材(その SIer の関係メーカー製)調達に遅れが生じるとか意味わかんない。それから、その機材がないと開発できないってもの意味わかんない。こういうもっさりした仕事ぶりでも会社がつぶれないんだからうらやましいですな。たまに赤出してますけどね。