顧客のいうUIは絶対か?

 現在国内で使用されているほとんどのコンピュータシステムソリューションの発祥の地は欧米です。
 たとえば、Oracle社の新製品デモがあったとします。そこでよくあるのが「はい、これをこうしただけで、ほら、すぐにマスタメンテナンス画面ができてしまうんですよ」というものです。こういうものを見る度に「顧客の要求はそんなに単純じゃないんだよね」と落胆する人がいます。
 Oracle社の製品がどうこうということではありません。私がいいたいのは、「果たして顧客の要求が至上上か」ということです。たとえば、Windowsアプリケーションでは、クリップボードへのコピーのショートカットキーといったらCtrl+Cですが、お客さんに「F1」でといったらほいほいと「F1」にしてしまうケースが多く見受けられます。しかし、これはいうまでもなくローカルルールであり、つまり知らなければ使えない機能です。さらにいうなれば「直感的な操作」ができないということになるわけです。にもかかわらず、これを一介の(顧客の)システム担当ひとりの思いつきで「F1」にしてしまう……なんか変じゃないですか?
 やはり、開発者は真に顧客のことを思うのなれば、こういう点においてしっかりと進言差し上げるべきだと思います。そうすれば、それほど難解なリクエストもなくなってくると思えるのです。